ゴム劣化の原因となる加水分解 その対策を紹介します
2016/06/07

ゴムだからといって安心していると、いつの間にか劣化ははじまっています。
それは加水分解によって引き起こされるのです。
そのためラバー塗装などは劣化によりベタベタになってしまいます。
今回は、そんなベタベタを取る方法やゴム製品と長く付き合う方法を紹介します。
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ゴムが劣化する加水分解の仕組み
ゴムは加水分解より劣化します。
まずは、その仕組みを見て行くことにしましょう。
ゴム製品は、一般的に水をはじき返す力を持っていると考えられています。
しかし、意外なことに水に弱いという性質があります。
加水分解とは、物と水が反応して分解され生成物ができる化学反応です。
例えば、その特性である強磨耗性により靴底のパーツに使用されることが多いウレタンゴムは、水分に弱いためこの加水分解を起こして靴底が割れることがあります。
このような経験を持つ人も多いでしょう。
また、カメラのダンパーゴムも加水分解により劣化してしまいます。
そのため、劣化したゴムが粘着性をおびた状態で溶け出してシャッター膜に張り付き、写真が撮れなくなるという故障の原因ともなります。
さらに、ゴムホースも同じ原因で劣化します。
古くなったゴムホースの内部が劣化によりぬるぬるした状態になり表面が剥離してしまいます。
そのため、そのカスがタンク等に蓄積して目詰まりする原因にもなります。
ゴム製品を劣化させないための注意点
次は、ゴム製品を劣化させないための注意点を見て行きましょう。
一般的に、ゴムは水分に対して強いとされています。
例えば、シリコーンゴムは水に対して比較的強いとされています。
しかし、水以外の酸・アルカリに対して加水分解を受けやすいとう性質を持っています。
そのため、耐アルカリ性、耐酸性という点に関しては他のゴムに劣ることもあります。
また、透明なシリコーンゴムも加水分解による劣化を起こしやすいという性質を持っています。
そのため、水の中に何日もつけたままの状態で放置したり、長時間高温のスチーム等にさらすことによって劣化が進みます。
そして、シリコーンゴムの表面がヌルヌルになってしまったり、白濁してしまったり、接着していたものが剥がれてしまう原因にもなります。
以上、見てきたように、加水分解を起こすのは水分だけはありません。
水以外の酸やアルカリに対してもゴムは加水分解を受けます。
いずれにしても、ゴムの性質を理解した上で使用環境を考慮した注意が必要でしょう。
ゴムが加水分解してできたベタベタの除方法
次は、ゴムが加水分解してできたベタベタの除方法を見て行きましょう。
今回は、ラバーコーティングです。
用意するのは無水エタノールと雑巾の2つだけです。
無水エタノールは同量の水で薄めて使います。
まず、雑巾に無水エタノールを染み込ませます。
次に、ラバーコーティング全体に雑巾に染み込ませた無水エタノールを馴染ませます。
そして、雑巾でその部分をこするようにして落とします。
もし、十分に落ちないとしたら無水エタノールの濃度をあげるといいでしょう。
ストレート、つまり100%で使っても問題はあります。
なお、ラバーコーティングが雑巾についたら簡単には落ちません。
諦めましょう。
ちなみに、無水エタノールと消毒用エタノールの成分は同じです。
濃度が違うだけです。
これは、日本薬局法で規定されています。
無水エタノールは、消毒効果はほとんどありませんがガン治療等に応用されています。
この他の用途として、精密機械の洗浄などに使うこともあるようです。
エタノール(アルコール)は、一般的な医療用消毒剤として使われています。
ゴムの劣化を防止する方法
次は、ゴムの劣化を防止する方法を見て行きましょう。
はやり、お気に入りのゴム製品、例えばスニーカーなどとは長く付き合いたいものです。
まずは、悲しい知らせから。
スニーカーの加水分解を完全に防ぐ方法はありません。
でも安心してください。
経年劣化を遅らせる方法はいくつかあります。
まずは、新品のまま保管しないことです。
新品のまま長時間保管すると、その間に加水分解は進んでしまいます。
一度靴を履いてソールに圧力をかけるのです。
そうすれば、新品のまま保管するよりも加水分解を遅らせることができます。
また、靴を履いたあとは汚れを落として湿気も取り除くことが重要です。
そして、湿気の少ない風通しの良い場所に保管しましょう。
靴を保管するには、開放型の棚が適しています。
また、戸がついた下駄箱だったら、棚板をスノコ状のものに変えたり定期的に戸を空けて中の空気を換気しましょう。
なお、普通の靴箱には通気性がないので、その中に靴を入れて使う場合は箱に換気の穴を開けましょう。
劣化が少ないゴム製品選び
最後は、劣化が少ないゴム製品選びです。
一般的に、シリコーンゴムは撥水性を必要とする用途に数多く使用されています。
このシリコーンゴムは、水であればいかなる温度帯でも機械的強度や電機特性にほとんど影響しません。
このシリコーンゴムの性質は、シリコーン分子を覆っているメチル基の影響によるものです。
シリコーンゴムの表面が相互作用の小さいメチル基で覆われているため、分子全体間の凝集力が弱く表面張力も低くなっています。
その結果、シリコーン分子が存在する表面と表面張力の高い水との間で強い撥水が見られるのです。
なお、加圧されたスチームの場合はスチームの圧力が増すと劣化の影響も大きくなります。
ここで一点注意が必要です。
水に対しては強いとされているシリコーンゴムですが、先に説明したように水以外の酸・アルカリに対して加水分解を受けやすいとう性質を持っています。
そのため、ゴム製品を使う環境が水の影響を受けるのか、それ以外の酸・アルカリの影響を受けるかによって選ぶゴムが変わってきます。