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世界で一番熱心にTPPを推進するアメリカの狙いはこれだ

      2016/06/07

世界で一番熱心にTPPを推進するアメリカの狙いはこれだ

世界で一番熱心にTPPを推進しているといわれるアメリカですが、当初の国内では話題にも上がっていなかったといわれています。

では、なぜアメリカはTPPを推進しようとするのでしょうか?

今回はTPPを推進するアメリカの狙いについて説明しましょう。

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アメリカの本音と狙い

TPPとは、正式には「環太平洋経済連携協定」といいます。その名が示すとおり、太平洋にある国と経済連携の協定を結ぶことを目的としています。このTPPを熱心に推進するアメリカは、中東情勢や世界同時多発テロなどの対テロとの戦いに力を注いでいました。そのため、TPPの交渉参加国であるアジアや中南米に対しては出遅れてしまいました。それの出遅れを取り戻そうと、アメリカは熱心にTPPを推進しようとしているのです。

一方、当初のアメリカ国内ではこのTPPが話題に上がることもありませんでした。なぜでしょうか?
それは、これらの交渉参加国の貿易額が小さかったからです。これらの国々(日本を含まない)の貿易額を合計しても、その額はアメリカの5〜6%にしか過ぎなかったからです。しかし、当初は慎重だった日本がTPPの交渉参加を表明したてからは風向きが変わってきました。日本がTPPの交渉参加を表明したことで、アメリカ国内でもTPPが話題に上がるようになってきたのです。

アメリカが推進するTPPの日本側のメリット

当初はTPPに日本が参加することで多くの悪影響が出てくるとされていました。そのため、政府も交渉に参加すること自体をためらっていました。しかし、時の民主党政権は一歩踏み出しました。TPPの交渉に参加することを決めたのです。なぜなら、TPPに参加することで日本側にもメリットがあることが分かったからです。

輸出

資源の乏しい日本は海外から資源を輸入し国内でモノを作ります。そして、そのモノを輸出することで外貨を稼いでいます。もしアメリカを含むTPP参加国内で貿易が自由化されれば、日本の輸出額はいまよりも増えることになります。

企業内貿易

製造業のなかには、コストの安い海外に製造拠点を移しているところがあります。特に大企業になれば、その割合は高くなるでしょう。そんな大企業にとっては、TPPによって貿易が自由化されれば、海外の製造拠点とのモノやカネのやり取りが今まで以上に効率化されることになります。

GDP

日本がTPPに参加することで、この後10年間でGDPが2.7兆円増えると試算されています。少子高齢化で働く人口が減っている日本にとっては大きなメリットだといえるでしょう。

アメリカが推進するTPPの日本側のデメリット

アメリカが推進するTPPは日本にとってメリットだけではありません。何事にも、メリットがあればデメリットがあるように、日本が参加するTPPにもデメリットというものがあります。

国内農業

TPPの交渉参加を議論しているときに真っ先に反対したのは農協でした。なぜなら、農協の組合である農家が壊滅的なダメージを受けると考えたからです。日本の農業は高い関税によって、海外からの安い農作物から守られてきたという一面があります。しかし、消費者から見れば高い野菜を買わされてきたとも言えます。もし、この関税が撤廃されれば、消費者は海外の安い農作物に流れてしまって、国内で作られた野菜は買ってもらえなくなる、と農協は考えたのです。

食の安全

同じように農協は、食の安全も問題にしました。アメリカから輸入したオレンジやレモンに許可されていない農薬の成分が検出されたということがニュースにもなっていました。そのため、関税が撤廃されることで海外から安い農作物が入ってくれば、食の安全は確保できなくなる、と農協は考えたのです。

TPPを推進するアメリカの狙い

先に説明したように、アメリカがTPPを推進するのは、アジアや中南米への出遅れを取り戻すためでした。しかし、狙いはそれだけではありません。アメリカについでGDP世界2位になった中国です。最近は鈍ってきましたが、中国は経済成長を遂げることで国際社会における影響力を増してきました。そんな中国に対抗するために、アメリカはTPPを推進しようとしています。

関税の撤廃がクローズアップされているため、多くの人は知らないと思いますが、TPPにはそれ以外にも盛り込まれていることがあります。それは、人権重視、環境保護、知的財産権の保護です。これを見てピンときた人も多いのではないでしょうか。

中国ではチベット問題などの人権問題をかかえています。これらは、中国の内政なのでアメリカが干渉することはできません。また、PM2.5に代表されるように、中国では環境汚染が進んでおり、事態が改善される兆しは見えません。そして、このPM2.5は風に乗って日本にも飛来しています。さらに、中国は海賊版天国ともいわれ、知的財産権に対する意識が希薄です。

このように、アメリカはTPPを推進することで中国の力を封じ込めようとする狙いがあると見ることもできます。

TPPを推進するアメリカと中国の関係

日本とアメリカは共同してアジア開発銀行を主導しています。この銀行は、アジアや太平洋の国々が経済発展するための資金を供給する目的で設立されました。一方、中国はそれだけでは増大するアジアの資金を賄うことはできないとして、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を提唱しました。このアジアインフラ投資銀行をアメリカは問題にしました。

中国はアジアインフラ投資銀行への最大の出資国です。その中国が融資する国を決めることになれば、いままで以上にアジアでの影響力が増してしまいます。また、そのときの融資基準が明確になっていません。そのため、賄賂が横行する結果にもなってしまいます。こういった点をアメリカは問題にしたのです。

まとめ

TPPを推進するアメリカの狙いについて考えるとき、二つの視点で考えることができます。

一つ目は生産者の視点。輸出する側にすれば関税が撤廃されて輸出額が増えることは歓迎すべきことです。しかし、輸入品と競合する場合は歓迎できるものではありません。

二つ目は消費者の視点。安い輸入品が入ってくれば歓迎できます。ただし、安心安全が確保されていることが前提となります。

いずれにしても、この問題は近視眼的に捉えるのではなく、長期的かつ多面的に捉えるべきといえるでしょう。

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