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腫瘍マーカーの数値が高い原因と誤解されやすい点

      2016/06/07

腫瘍マーカーの数値が高い原因と誤解されやすい点

がんの検査として使われている物の中に腫瘍マーカーというものがあります。

この腫瘍マーカーの数値が高ければがんを疑うわけですが、数値だけで一喜一憂する前に、腫瘍マーカーについての正しい知識を理解する必要があります。

そこで今回は腫瘍マーカーの数値が高い原因と誤解されやすい点についてまとめました。

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腫瘍マーカーの基礎知識

がん細胞が生産する特殊な物質のうち、主に血液中に分泌され計測する事が可能な物質の事を腫瘍マーカーと呼び、臨床検査の場でがんの進行度合いを見る基準の一つとして広く活用されています。

腫瘍マーカーは数多くの種類があり、物によって調べられるがんが違います。

腫瘍マーカーによって全身のがんを検査することができますが、種類によって特定の臓器だけに対して高い数値を示す臓器特異性の高いマーカーと複数の臓器のがんを一度で調べる事ができる特異性の低いマーカーがあります。

一部の腫瘍マーカーは臓器特異性が高いので、特定部位でのがんの発生を発見しやすいですが、現在臨床の場で使用されている多くの腫瘍マーカーは特異性が低いので、複数の臓器をいっぺんに調べてがんの存在を調べる事はできますが、どこにがんが発生しているか特定することができないのが特徴です。

ただ、複数の腫瘍マーカーを組み合わせることである程度疑わしい臓器の目処を付ける事ができるので、MRIなどの画像診断などを利用してそこを重点的に調べて病巣を突き止める事ができます。

数値が他人より高いかどうかで判断してはいけない

腫瘍マーカーの数値でがんが発生しているかどうかを判断するわけですが、自分と他人との数値を比べて安易な判断をしてしまってはいけません。

例えば、自分の腫瘍マーカーの数値が300あり、Aさんの数値は500だったという場合、数値だけ見ればAさんの方が悪い状態だと考えてしまいがちですよね?

しかし、そう判断するのは大きな間違いです。

がん細胞の中には1つの細胞が大量の腫瘍マーカーを作りだすものもあれば、少量しか作りださなかったり、中には全く作りださないものもあります。

また、仮に現状で腫瘍マーカーが500の人間が2人いたとしても、一方の人は症状が悪化してきて数値が500に上がってきたのに対し、もう一方の人は長い治療の結果1000あったものが500まで下がってきたのだとしたら、意味合いは全く違ってきます。

このように、腫瘍マーカーの数値はあくまで参考値であり、ひとりひとりで症状も状況も経緯も違うわけですから、いくら他人と比較しても意味がないのです。

腫瘍マーカーの数値が下がっても安心してはいけない

腫瘍マーカーは多くの種類が実用化されていて、マーカーによってある程度状態の推移を見る事はできますが、ひとつのがんで数値が増減する腫瘍マーカーは1つだけとは限らないので、安易に油断してしまってはいけません。

どういう事かというと、例えば子宮頸がんであればβHCG、SCC、STNという3つの腫瘍マーカーが発生します。

そこである治療を施したところ、βHCGとSCCの数値は増加がみられなくなったが、STNの数値は今までよりもさらに増加してしまったなんて事も考えられます。

その時に、もしβHCGとSCCの腫瘍マーカーしか検査をしていなかったら、がんが良くなってきたと安心してしまい、活発に活動しているがん細胞の存在を見逃してしまう可能性があるわけです。

がん治療を行う時は腫瘍マーカーのみに頼って経過観察をするのではなく、CTやMRIなどの画像診断を併用しないと、気づかないうちにどんどん悪化していたという事にもなりかねないので注意が必要です。

がん以外でも高い数値になることがある

腫瘍マーカーはがんが原因で陽性になりますが、中にはがん以外が原因でも陽性になることがあります。

こうした反応を偽陽性(ぎようせい)と言います。

腫瘍マーカーは全てががん細胞からのみ発生するわけではなく、一部は正常な細胞で作られるものもありますし、体調の変化や喫煙によって数値が高くなったりもします。

また、悪性の腫瘍だけに限らず良性疾患の場合でも数値が上昇することがあるので、臓器特異性が低いものほど偽陽性が出る可能性が高くなります。

偽陽性が出てしまうと、がんではないのにがんだと診断されてしまい、しなくても良い検査をしたりすることで体に余計な負担をかけてしまう上に、精神的にも不安を与えてしまう原因になってしまいます。

さらに、偽陽性とは反対のケースで、実際はがんがあるのに腫瘍マーカーの数値が高くならないという偽陰性(ぎいんせい)もあるので、ただ単に腫瘍マーカーの数値だけで安易に判断し一喜一憂しないように気を付ける必要があります。

健康診断では腫瘍マーカーは受けなくて良い

健康診断のオプション検査で腫瘍マーカーが受けられる業者もありますが、腫瘍マーカーは受けなくてもかまいません。

前述したとおり、腫瘍マーカーは物によっては正常な人でも数値は上がることはありますし、偽陽性が出る事もすくなくありません。

しかし健康診断で腫瘍マーカーをはかった結果、高い数値が出てしまうとがんになってしまったんじゃないかと不安に駆られ、様々な精密検査を受けて異常がないか確認することになります。

それでがんが見つかれば腫瘍マーカーを受けた意味はありますが、何も見つからなかった時は体に余計な負担をかけて無駄な時間と労力を費やしただけになってしまいます。

しかも、腫瘍マーカーの数値の意味をきちんと理解していなければ、いくら精密検査で異常なしと診断されたところで、高値が出たという事実に対しての不安でいつまでももやもやした気持ちが残ってしまい、精神的にも良いとは言えません。

健康診断でオプションとして腫瘍マーカーを受ける際は、受ける目的をよく理解し、適切な判断ができないと逆に自分を追い込んでしまうので気を付けましょう。

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